じれじれ王子と心の蕾。




「わ、別れるって………、ど、どうして急にそんなこと言うの?」
私は戸惑う気持ちを隠せないまま、理々乃ちゃんにそう発言する。

「じれじれ王子の音怜くんはね、良い理由で有名なところもあれば、悪い理由で
有名なところがあるの」
「…………悪い理由で有名?」

「そ。………聞きたい?」

私は、ごくんと唾を呑み込んでから、こくりと頷いた。

「音怜くんは、恋愛に興味なさそうな素振りをみせてるけど、実際は違うの」
「どういうこと………?」

「あいつは、恋とか愛とかを遊びにしか思ってない。最初は彼女として付き合っていたとしても、すぐに“飽きた”って言って、ぽいっと捨てる。音怜くんに泣かされた女の子、たくさんいるんだよ」

「そ、そんな……、酷い」
「でしょ? 朝のときは、応援するみたいなこと私言っちゃったけど、あれは嘘。目の前に、音怜くんがいたから、そういうフリをしただけ」


理々乃ちゃんは、私の両手をがしっと掴む。