じれじれ王子と心の蕾。




「あ、つぼみ、ちょっといい?」
背後から声をかけてきたのは、理々乃ちゃんだった。

「どうしたの、リリィ?」
「あのね、ちょっと話したいことあるから、隣の空き教室に一緒に来てもらいたいんだけど………、ダメかな?」
「ううん、もちろんいいよ!」

話しってなんだろう………?
なにか悩んでいることが理々乃ちゃんにあるなら、相談にのってあげようっと!

私は理々乃ちゃんの背中についていって、隣の空き教室に向かった。

───、がらり。

中はほこりっぽくって、思わず咳き込む私。

ガラクタにしか見えないモノであふれているここは、カーテンも閉め切られ薄暗い。

ふと、理々乃ちゃんの顔を見ると、なぜか今まで見たことがない真剣な表情をしていた。
どうしたんだろう………? もしかして想像以上に深刻な悩みなのかな?
そして、彼女はおもむろに口を開く。

「音怜くんと、別れてくれない?」
私は「へ?」と声を漏らした。