「でも、俺としては、つぼみちゃんが本当の彼女になってくれたら、嬉しいんだけどねー…………」

音怜くんは、ぼそりと言ったけど、私には全く聞き取れなかった。

「あっ! そうだ音怜くん、ちょっと寄り道いいかな?」
「別にいーけど、どこ行く気なの?」

「リリィの家! リリィ、昨日から風邪で学校こられないの。だから、お見舞い
に行こうと思って」
「ふーん、友達思いなんだな、つぼみちゃんって」

私は首を横に振って否定した。
「そんなことないよ。私、友達少ないからっ………っていうか、リリィと音怜くん以外にこんなに喋ったりする人いないからね」

へへへっと苦笑いする私。

音怜くんは、じっと私の顔を見て口を開いた。

「うん。お前に友達たくさんできちゃったらさー、俺、絶対妬くから。このままでいいと思うけどー……って、何笑ってんの?」

「じれじれ王子なのに、妬くんだ。音怜くん可愛いね」
「………っ、変なこと言ってくんな」