枕元のスマホがピロンと音が鳴る。
私は、それで目が覚めて、緩慢(かんまん)な動作で手にとった。
こんな朝早く、一体誰だろうっ…………?

画面には【音怜くん】という文字が。
───えっ!? 
私は急いで届いたメールを確認する。

【今日は部活がないから、8時くらいに迎えに行くね】

私は、【了解!】と返事を打って送信した。
音怜くんとの初めてのメールのやりとりに、胸がじんわり熱くなる。

仮の彼女とはいえ、なんだか気持ちが着実に音怜くんに傾いているのを私は
感じていた。
けど、まだ心の奥に朝陽くん──、あーくんがいるのは確かだ。
だって、私の幼なじみで初恋の相手だから。

いつか、あーくんのことをスッキリ忘れられる日が来るのかな………?
そんな風に思いながら、私は制服に着替えてキッチンへ向かった。

いろいろ支度をしていたら、リビングの壁掛け時計は8時10分前。

わわわっ……!? ちょっとのんびりしすぎたかなっ……!?