じれじれ王子と心の蕾。



『よーし! 今から1人ずつ自己紹介タイムだ!』
入学式が無事に終わったかと思えば、今年もこれをやらされるのか………、
と、担任の先生を見て憂鬱になる。


『~と言いまーす。趣味は……で、』
ううっ……、緊張するなぁ。

前の席の男子が軽くみんなに頭を下げて、パチパチと拍手される。
次は、私だっ……!

私は、勢いよく椅子から立ち上がった。

「か、川高つぼみですっ! 短所はちょっと人見知りで、長所は、どんな困難
でも諦めないことですっ……! あとは──、」


すると、何故かクラスの女子だけがクスクスと笑ってる。

「聞いたー? “どんな困難でもあきらめない”だってー」
「今どき古っー、どこかのアニメの主人公気取りかよ」

私は背中にぶわっと汗が滲むのを感じた。
一気に言葉が出てこなくなる。


「…………よ、よろ、しく」

蚊の鳴くような声で締めくくり、急いで座った。
ああー! 私のバカバカっ! 去年みたく、当たり障りのない言葉だけで良かった
のに、つい張り切りすぎてっ………!