アラームの音で目が覚めた私。
カーテンをシャッと開けて、朝の光を思いっきりあびる。
もう、5月かぁ、暖かくなってきたなぁ。
すると、なぜかお母さんが珍しく私の部屋に入って来た。
「あ、おはよう、お母さ──、」
「ちょっと、ちょっと! つぼみ、早く支度しなさい!」
「え? ま、まだ時間は大丈夫だよ?」
「あんな、イケメンな男の子、待たせるわけにはいかないでしょ!!」
イケメンの、男の子………? って、まさか!?
お母さんが私の脇腹を肘でつつく。
「も~! 彼氏が出来たなら、早く言ってくれればいいのに~!」
「お、お母さん、朝から恥ずかしいこと言わないで~………!」
朝食のベーコンエッグを、急いでお腹に入れて、洗顔と歯磨きをすませる。
そのあと、着替えて髪をとかして、スクバの中身を確認してから、玄関を急いで出た。
私の視界に一目散にはいったのは───。
もう、何度も見てるふわふわの髪に、色素の薄い瞳は、どこか虚ろの音怜くん。