「………」
「ね、音怜くん?」
「………いや、城守には誕生日プレゼントで、俺には“ついで”なんだなーって」

私は、ハッとして、オロオロする。
「ご、ごめんなさいっ! “ついで”じゃなくて“音怜くんの為”に作ったんです!」
「ははっ、じょーだんだよ。これ、一応もらっとく」

さっと、私の手の平からとって、自分の胸ポケットに入れた彼は、そのまま悠々と
去って行った。
い、一応、喜んでくれたのかな………?

そして、お昼休み。

「えーっと、何でしょうか?」

私は、なぜか音怜くんに呼び出されて、裏庭に来ていた。
もしかして、あの猫のマスコットが気に入らなかった? とか、なにか気に障るような事言ってしまった? とか、マイナスな考えを巡らせる私。

すると、隣のベンチに座っていた彼が、おもむろに口をひらいた。

「俺、あいつが嫌いなんだよねー」
「あ、あいつとは…………?」
「お前、鈍いなー、萩山朝陽だよ」
「…………へ?」