じれじれ王子と心の蕾。




「こんな可愛いモノもらって、喜ばない人なんていないよっ!」
「ほ、ほんと? よ、よかったぁ~」
「私、すっごく嬉しい! ありがとね、つぼみ!!」
「えへへ………! いや、こちらこそ!」

アドバイスしてくれた、音怜くんにもお礼を言おうと思い振り返ると。
あれっ? 音怜くんいない………。
教室も見渡しても、廊下にでても、彼の姿は無かった。

「ねぇ、リリィ、音怜くんどこに行ったかわかる?」
「え? トイレにでも行ったんじゃないの?」

私は、急いでトイレの方向に向かった。
すると、タイミングよく音怜くんが、扉を開け出て来る。

「音怜くん!!」
「男子トイレの近くまで追いかけてくるとか、川高ってしつこいー」
「あ、あのね、音怜くんにこれ、あげますっ!」
「…………は?」

ブレザーの上着のポケットから取り出したのは、手のひらサイズの三毛猫の
マスコット。

「実は、音怜くんにもお礼がしたくて、ついでに作ってみたんです。受け取ってもらえませんか?」