じれじれ王子と心の蕾。




しゅんとする私に、音怜くんの思わぬ言葉が上から降ってきた。

「じゃー、手作りプレゼントとかは?」
「えっ、あっ! そ、そうですね! それならお金あんまかからなくてすむし、
なにより心がこもったものが出来そうです! ありがとうございますっ!」

「別に」とだけ音怜くんが言って、彼は顔を逸らす。


私はぺこりとお辞儀して、ルンルン気分で雑貨屋の中に入っていった。

私が真っ先に向かったのは、ハンドメイドコーナー。
編み物や刺繍は、小学生のときにやっていて、得意中の得意だった。
でも、高校生になってからは、勉強についていくのに必死で、それとは遠ざかっていた。

だから、今更やるのは少し不安があったけど、もうそんな事は言ってられない。
ずらりとならぶ、糸やビーズを見ていると、目に止まったのは。

商品棚の一番上に完成品として置いてある、羊毛フェルトで作られた猫。
ふわふわで、ちょこんと座っていて、三毛猫で。

とにかく、とても可愛い。