『なに、やってるのあなたはっ!?』
『す、すみませんっ!』

レストランのホールの面接に受かったものの、私は毎日、緊張でお皿を落とし割ってしまうミスを犯していた。
もともと人と接する仕事がしたいと思っていたので、ホールスタッフを希望した私。

だけど、先輩方は厳しくて、フォローしてくれる人はいなかった。
そして、とうとう店長に呼び出され、告げられた言葉は…………。

『きみ、もう明日から来なくていいから』

私は、ショックでそのあと、帰りの記憶がほとんどない。
今でも、全く思い出せないくらいだ。

私は、気分転換に外に出る事にした。

空は、白い雲が浮かんだ青空が広がっている。

すると──。


「あれ? 音怜くん?」
「あ………、川高?」

雑貨屋からちょうど出て来たのは、紛れもなく私服姿の音怜くんだった。

「なんで、以外そーな顔してんのー? 俺が雑貨屋にいたのがそんなに珍しいですかー?」