「ほらっ! これ見てっ!」
「んー? …………って、あ、咲いてる」
私たちは花壇の前に立ち、自分は、以前つぼみだった花を指さした。
「淡いピンク色で可愛いよね! こんな可愛い花咲かせるなんて、この花、すごく
頑張ったよねっ!」
私は少し興奮気味に話していると───。
「つぼみちゃんの方が可愛いし、頑張ったと俺は思うけれど?」
「えっ! なっ……!? は、恥ずかしいこと言わないでよ………! それに
なんだかいつもの音怜くんらしくないよっ!」
「俺がこんなこと言うの変?」
にやっと笑いながら問いかけてくる音怜くん。
も、も~、音怜くんの意地悪っ!
真っ赤になっているであろう顔を冷ます為にパタパタと、手で仰ぐ私。
「あ、あのね、せっかくだからこの花に名前つけない?」
「名前? まー、いんじゃない? じゃ、つぼみちゃんが自由につけてよ」
「うん。私、もう花の名前決まってるんだ」
音怜くんはどんなの? と首を傾げる。
「リリィって名前にしようと思って」
「いーじゃん、なんか響きか、つぼみちゃんにぴったりじゃない?」

