じれじれ王子と心の蕾。




「…………へ?」
私は間抜けな声を出して、ゆっくり視線を音怜くんに移す。

「くくくっ、マジやべー、腹いてー」
…………んなっ!?
音怜くんは、身体をくの字に曲げてそう言っていた。

「ひ、ひどいよ音怜くん! こっちは真剣なのにっ……!」
私はぽかぽかと、彼の頭を叩く。
すると、その様子を見ていた理々乃ちゃんはクスリ、と笑って口を開いた。

「やっぱり音怜くんにはつぼみがあってるね。音怜くんから、そんな楽しそうな
表情をだせるのも、つぼみ以外いないよ」

理々乃ちゃんは私と音怜くんに近づいて、そう言った。


すると、グットタイミングで午後の授業開始を知らせる鐘が鳴る。

「つぼみのこと、大切にしてあげてね。音怜くん!」
「言われなくても、分かってますよー」

そんな二人のやり取りを見て、私は思わず微笑ましく思った。

そして、私たち3人は急いで教室に戻り、先生がちょうど教室に入るタイミングと
ほぼ同時に滑り込んだ。

そして、午後の授業がすべて終了した放課後。