じれじれ王子と心の蕾。




「じゃー、お気に入りなら食べれば? 今ここで」
「へっ?」
「俺が、食べさせてあげるからさー、こっち来てよ」
「え、ええ!?」

私が座らされたのは、さっき音怜くんが寝ていた、ベンチ。
そして、横にいるのは、その音怜くん本人。


「はい、川高、あーん」
彼は、私が少しだけ口をつけただけの、クマの耳の部分をつまむ。
耳は小さなボール状のご飯になっていて、一口サイズなんだけど………。

「や、やっぱり大丈夫だよっ……! じ、自分で食べるからっ」

いざ音怜くんが私の口元にそれを持って来た途端、恥ずかしくなる私。

それを見て、あからさまにニヤニヤする音怜くん。
「どーしたの、川高ぁ? 顔、赤いよ」
「ええっ!? う、ウソぉ………」

思わず顔を両手で覆ってしまう。

「これ、川高が食べてあげないとクマさんが悲しむよ?」
「ううっ………」
「それとも、告ったこと、ばらされたいー?」
「そっ、それは嫌だよっ………!!」