自分の両手の平をお互い擦り合わせる彼女。
重たそうな口をやっと理々乃ちゃんは開いてくれた。

「じ、実は、私、萩山くんと付き合い始めてから、彼がすごい束縛男で困ってて
別れようにもそうできなくて困ってたの」

「………うん」
私はあくまでも黙って彼女の話しを静かに聞く。

今理々乃ちゃんを責め立てたりしたら、間違いなく彼女は、喋るのをやめてしまう
だろうと確信してたからだ。


「その時、なんとなく音怜くんに相談したら、萩山くんを代わりに叱ってくれて、
無事に別れることが出来た。それで私、音怜くんが好きになっちゃったの」


私は、あるワードが引っかかった。

「なんとなく……、音怜くんに相談したの? 本当に?」
「う、それは……」

言葉を詰まらせる理々乃ちゃん。

そして、きょろきょろと目を泳がせる。

「理々乃ちゃん、もしかして前から音怜くんのこと気になってたの?」
「───っ!?」

音怜くんの隣で、理々乃ちゃんはびくっ! っと反応する。
どうやら図星のようだ。