「で、川高……だっけ、用件は?」
「あ、あのね、私が萩山くんに、告白したことは誰にも言わないで欲しいん
です………!」
「うん、分かった」
なんだ、音怜くん、見かけによらずいい人だっ………!
感動していると、何故かへらへらと笑う音怜くん。
その姿を見て、私は嫌な感じがした。
音怜くんは、ずんずん私に近づいたかと思えば───、ひょいっと私のお弁当箱を
取り上げる。
「音怜くん!?」
「その代わりさー、この弁当、俺にちょーだい? 川高の力作のクマさん何で
しょ?」
パカっと、再びお弁当箱の蓋が開く。
「あっ、ちょっ───、」
「わーお。白いクマさんがニッコリ笑ってる、いかにも幼稚園児のお弁当だーー」
「や、やめてくださいっ! 確かにそうかもしれないですけど……、クマは私
のお気に入りなんですっ……!」
私は手を伸ばしたけど、155センチの小柄な私が長身の彼にはかなわなかった。

