私は急にどうしたんだろうと、こてんと首を傾げた。
彼女は、こげ茶の紙袋を片手に、にこにこしながら再びこちらに戻ってくる。

「先生が来ないうちにこれ、もらってくれない?」
「へ? 私、リリィから贈り物されるほどの事なんもしてないよ?」

理々乃ちゃんは何故か目をまん丸にして、プッと噴き出して笑う。


「つぼみ、今の天然発言だから」
私は「へ?」と声を漏らして、ぽかんとした。

「もー、ここまで言っても解らないんだ。バースデープレゼントだよっ」

「えっ、あっ!」

手の平をグーでぽんっと叩く。
あれ……? でも、私の誕生日は4月2日で明日なんだけど。

「ふふっ、顔に出てるよ。春休み明けて、学校で久しぶりにつぼみの顔見られる
んだって思ったら、渡したくなっちゃったの」


ちょっと恥ずかしそうに目線を下に向ける理々乃ちゃん。

「そうだったんだ! ありがとう、リリィ!」
「あ、絶対に家に帰ってから開けてね?」
「うん! そうする!」