『目とかにあたっていたら』

それを聞いて私は一瞬ゾッとしたけれど、そんなことはどうでもよかった。
私が一番言いたかったのは───。


「彼……、音怜くんのせいじゃないです………! 私が勝手に音怜くんを守ろう
としただけですっ………!!」

すると、突然先生は、ぎょっとしておろおろし始める。
あぁ、私、泣いてるんだ。
だって、温かいものが自分を頬を次々に伝っていくのがわかったから。


それは、ぽたりぽたりと、保健室の床に染みをつくる。

「川高さん、落ち着いて……! でも、もうこれは職員全員が決めたことなの。
私にはどうすることもできないのよ、本当にごめんなさい。辛いとは思うけれど………」


一生懸命なだめようとする、養護教諭の先生。

だけど、その優しさが私としては、初めてうっとおしいだけのモノと感じていた。
先生の、言っていることが理解しようにもできない自分も悔しかった。


音怜くんにはしょっちゅう“幼稚”、“子供っぽい”とか言われてたけれど、今は
ただ泣きわめく赤ちゃん状態の私。