「げへへっ!! 助けに来た王子様もさすがに手がでねぇようだな~ぁ!」
挑発されて、悔しそうに唇を噛む音怜くん。
いつも余裕たっぶりで、私をからかう彼ではなくなっていた。
けど、いつまでも音怜くんに甘えてちゃいけない──……!!
今度は私の番だっ!!
───がぶりっ!!
「いでででででっっっ!!?」
私は自分の顎を、これでもかというくらい力をこめて、男の手に噛み
ついた。
───痛みと驚きで、男の手はナイフを思わず投げ捨てた。
ふわり。
…………、へ?
上半身を起こすと同時に、音怜くんが素早く私をお姫様だっこして助けてくれる。
彼は、そのまま二人の男の顔を足でぐちゃっと踏みつけて、言葉を吐き捨てる。
「二度とつぼみちゃんに、こんなことしねーでくれる………?」
にっこぉ、と効果音がつきそうな笑顔を音怜くんは向けた。
「ひっ、ひいいいっ………!」
「に、逃げろ、あ、あいつやべーよ………!」

