音怜くんは、次々と私の周りを囲っているガラの悪い男たちを倒していく。
動きに無駄がなくしなやかに、そして適格に相手の急所を狙う。
「ど、どうします……? 茜ちゃんには近松音怜を傷つけないようにと伝言され
ているっすケド………?」
「ええいっ! こ、これは正当防衛だっ!! 全員あの男をやっつけろー!!」
その掛け声で、私を押さえつけている男以外の全員が、音怜くんに飛び掛かる。
けど、それでも音怜くんには効果無しだった。
あっと言う間に男たちは倒され、残ったのは、私を押さえつけている男二人。
ザクッ、ザクッと芝生の上を踏みしめて、徐々に距離を詰めていく音怜くん。
男の二人は青ざめた顔をしていた。
「こここ、こっち来るんじゃねぇっ!!」
「そそそ、そうだぞっ!! 川高がどうなってもいいのかよっ!!」
片方の男がポケットから取り出したのは、果物用のナイフ。
ぎらりと光るそれは、私の首元にスッとあてられた。
すると、音怜くんの顔がこわばり、足をストップする。

