そして、ニヤリと笑う。
私はなんだか胸がざわついて、嫌な予感がした。
───、そしてそれは見事に的中することとなる。
「あなたたちの出番よ! この子をぼこぼこにしちゃいなさい!!」
あ、あなたたちって誰?
私は足をばたつかせながら斎藤さんの叫んだ方向に視線をやると───。
ぞろぞろと倉庫の後ろから、ガラの悪い男子生徒が出てきた。
手にはみんななにも持っていないことからして、単なる脅しか、それとも
素手で私を殴るつもりなのか。
「あー、この女子生徒っすか? 茜ちゃんを邪魔しているヤツって」
男子生徒が斎藤さんに聞く。
「そうなんですよ~。私の好きな人を奪おうとする、すごく迷惑な子なの~!!」
彼女はウソ泣きする。
そして、すがるようにガラの悪い男子たちを見た。
す、好きな人を奪おうとするって…………、それってまるで私が悪い人みたいじゃ
ないか。
私にはそんなつもり一ミリもないのに。
急に斎藤さんの言葉に悲しくなったけど、顔にはださないようにした。