私は、ふわりと斎藤さんと彼女の後ろにいる女の子達に、笑顔で返した。

「あぁ、そう」
斎藤さんは、もっと騒ぐのかなと思ったけれど、以外にもあっさりそう返事する。

そして、彼女はやれやれと顔の両脇で手をひらひらさせた。
「じゃ、川高さん。アンタにはちょーっと痛い目見た方がよさそうね」

「い、痛い目?」
「そ。ちょっとこっちに来なさいよ」
「あわわっ………!?」

斎藤さんの連れの女の子二人が私の両腕をがっちり掴んで、私をある場所に移動
させる。

“ある場所”とは───、音怜くんと以前、一緒に見た花壇の前だった。

────ドンッ!!


「きゃ……!!?」

私は、連れの女の子二人に、体当たりされてバランスを崩し倒れた。
地面は芝生になっていたけれど、それでも打った背中がじんじんと痛む。

早く起き上がらないと……!

しかし、そう思っても二人の女の子が私の身体を押さえつける。


仁王立ちした、斎藤さんが私を見下ろしていた。