ハーフアップの女の子は、にこにこしながら、深々と頭を下げる。 そして、体育館の出入り口へと、人をかき分けながら進んで行って、やがて姿は 見えなくなった。 「つぼみちゃん」 「な、なぁに音怜くん………?」 「俺、つぼみちゃんにそんなに好きになってもらえてたんだ。うれしー」 「いや、それはそのっ………!?」 音怜くんはベンチに戻る間際、こちらを振り返って「がんばるから、俺」と言って 去って行った。