音怜くんは、わーっと同じチームのみんなに囲まれた。
「す、すごいっ………! さっき投げる場所からかなり距離があったのに、軽々と
シュートきめちゃうなんてっ………!」
くいくいと、私は理々乃ちゃんのユニフォームの裾をつかむ。
「あー、はいはい、私もちゃんと見てたよ。に、しても凄い上手だよね、バスケ。
普段は、教室でほとんど寝てるのに」
珍しく、理々乃ちゃんが音怜くんのことを褒める。
「うん、そうだねー」
私は、あははっと笑った。
そして、ふと、理々乃ちゃんの横顔を見る、と。
なぜか、それだけでも、理々乃ちゃんが音怜くんを見つめる瞳がいつもと違う
ような気がした。
なんだか………、なんてゆうか、“恋”してるようにも見える。
え………? あれ?
私は思わず目を擦った。
「? どうしたの、つぼみ?」
「う、ううん! な、なんでもないっ!」
私はとっさにそう言って誤魔化した。
…………まさかね。理々乃ちゃんは、朝陽くんとお似合いだし、そんなワケない
よね。

