それを聞くと、なぜか理々乃ちゃんはちょっとばつの悪い顔をする。
そして、私に頭を下げて謝ってきた。

「り、理々乃ちゃんどうしたの………!!?」
「ごめん、私が悪いの。謝らせて。」

顔をようやく上げた彼女の表情は、複雑な笑みを浮かべていた。

「あのとき、つぼみが音怜くんに傷つけられちゃうんじゃないかと思って、心配
で。だから、忠告したんだけど………、それも大きなお世話だったみたいだよね」

私は急いで首を横に振る。

「そんなことないよっ! 確かに理々乃ちゃんに『別れて』って言われたのは
ちょっと刺激が強かったけれど、不愉快な思いはしてないからっ…………!
それに………、」

「それに?」


私はちょっともじもじしながら口をゆっくりと開いた。

「今は音怜くんの彼女になれて、幸せだから、それでいいの」
「ふふっ、そう。よかったね、てゆうか、音怜くんがあんなに優しくするのって
つぼみぐらいだよ」

「え……!? そ、そうなの!?」