じろりと、私の目を見る斎藤さん。
私は怖くて目線を思わず逸らしてしまったけれど、彼女の口は止まらない。
そして、耳を疑う言葉を投げかけられる。
「川高さん、あんたは音怜くんに騙されているのよ?」
「…………は、い?」
「あんたは気づいてないだけで、音怜くんはただ川高さんが自分の操り人形に
なってくれてラッキーって思ってるだけだわ、きっと」
私はその言葉にムッとした。
「そ、そんなことないっ! 音怜くんは、私を操り人形なんかにしてないし、
とっても優しくしてくれるんだもん…………!」
すると、一瞬目を丸くしたかと思えば、くすくすと口元に手をあてて笑う斎藤
さん。
「ほんっと、川高さんってバカで、物分かりが悪いわね~」
「ほんと、ほんと~、サイトーちゃんの言う通り~」
後ろで、女の子たちがはやし立てる。
「に、しても音怜くんもバカよね。騙すならもっとマシな子の方が落としがいが
あるっていうのに」

