「音怜くん、わざわざ送ってくれてありがとう」
私がペコリとお辞儀をすると、音怜くんは、ははっと笑う。
「こんなかわいー恰好している女の子を、夜道を一人でなんて歩かせられないに、決まってんじゃん」
それを聞いて私はかーっと頬が赤くなった。
「も、もう! 冗談はやめてよぉ………」
抗議するつもりが弱弱しい声になってしまい、自分の顔を手で隠す私。
音怜くんは、そんな私をぎゅっと抱きしめてくれた。
「ごめん、ごめん。つぼみちゃんの照れ顔見たくて、つい口から出ちゃった」
「~っ、も、もう~っ、」
私はぷはっと、音怜くんの胸の中から顔をだして、こう言う。
「でも、その……、私、音怜くんの彼女で幸せだよ」
音怜くんは私の予想通り少しびっくりしてたけど、ふっと笑ってから。
「俺も、つぼみちゃんの彼氏で幸せ」
ポンポンと私の頭を軽く叩いて、音怜くんは身体を離してしまった。
…………もうちょっと、くっつかっていたかったな。