じれじれ王子と心の蕾。




「わわわっ………!? 雨!?」
「つぼみちゃん、あっち!」

音怜くんが指さす方向には、ぷっくりとしたフォントで“もわーる”と書かれた
建物。おそらくお土産屋さんなんだろう。


私たちは、すぐさま“もわーる”の建物に非難する。

そして、私たちは、出っ張った外の屋根から空を見上げていた。


なんか、これで二度目だなぁ。
確か、あの日は、私が資料室で泣いていたのを音怜くんに見つかっちゃったんだよね。

そのあと一緒に帰っている途中、すごい雨が降って来て、音怜くんちにお邪魔
させてもらったんだっけ。

ぼーっと、強まる雨を見守っていると。

「中に土産物、つぼみちゃんが好きそーな物、売ってるよ」
「えっ!」


ガラス張りの店内を除く音怜くんは、そう言ってきた。

早速入ると、私の目に止まったのは、ミントグリーンの革にペンギン模様のペン
ポーチ。


「これ欲しいの?」
ずいっと、私の顔を覗く音怜くん。