「さっき、言ったじゃん」
「じゃあ、こっち私、口付けてないからどうぞ」
透明ガラスに入ったバニラアイスをずいっと、音怜くんの前に置く。
すると、きょとんとする彼。
「いや、そうじゃなくてさ、俺、自分では食べたくない」
「…………、はい?」
音怜くんは自分のスプーンを持って、何故か私に手渡す。
「食べさせてよ」
は、はいいぃぃっ!?
「で…………、でも、人たくさんいるし、恥ずかしい………」
見渡すと、周りにはたくさんのお客で賑わっていた。
「カップルの俺たちが、そういうことするのって自然なことだよ。誰も気にも
止めないって」
「そ、そう?」
もじもじと身体を動かして、目を泳がせる私。
「アイス溶けちゃうよ、つぼみちゃん。早く」
「う、うん、分かったよ」
私はドキドキしながら、スプーンでアイスをすくって、音怜くんの口に運ぶ。
───ぱくっ。
「ど、どうですか………?」
恥ずかしさで、思わず敬語になってしまう私。

