じれじれ王子と心の蕾。




私、いつの間に、こんなに音怜くんに対して独占欲を持っていたんだろう。

「えー、では! 次の方お並びくださーい!!」
ペンギンの餌やり体験が始まっていて、お客さんの楽し気な声が聞こえる。

けど、今はそれが耳に届くたびに不愉快でうるさく感じてしまう私。

こうなったのは、音怜くんのせいじゃない。
私の気持ちの問題であって、彼としては普通の行動なのかもしれない。

そう感じていると──。


「こんなところにいた」

顔をあげると、そこには紛れもない音怜くんの姿が。

だけど、私は笑う力もでなくて、無言で彼を見つめる。
すると、音怜くんは気まずそうに、目線を逸らして私の隣に座った。


「あー、ごめん、さっきの見てた?」
「うん」
「なんか急に絡まれてさー」
「うん………、私の方こそごめんなさい。急にいなくなったりして」

音怜くんがモテるのは前々から知っていたこと。
学校だって、普通にクラスメートの女子たちとの光景を見てきたつもりだし。