ドクン、ドクン。
なに? なんだろう? この変な感じは………。
手を無意識に広げると、汗をじっとりとかいていた。
そこで初めて気づく。
…………私、音怜くんに嫉妬してるんだ、と。
音怜くんは、恋愛にきょーみ無いし、さっきの可愛い女の子たちと話ししているのだって、ただの『演技』にすぎないと分かっている。
そう、分かっている。
頭では理解している。
…………なのに、なんでだろう。
なんで、こんなに胸が苦しくて、真っ黒に心が染まっているんだろうか。
私は、ペンギンの水槽前にあったベンチに腰をおろす。
ハンドバックから、手鏡を取り出して、自分の顔を見るとやはり青ざめていた。
それに、凄く今にも泣きそうな情けない顔をしていることに、驚く。
私は急いでハンカチでたまった涙をぬぐった。
ただ、音怜くんが見知らぬ女の子と会話していた。
たったそれだけのことなのに、胸がえぐられた気分で苦しい。

