昨日、理々乃ちゃんの言う通り、家に帰って開けた袋の中身は───。
ガラスポッドに入った、プリザーブドフラワーだった。

ちなみにお花は、ピンクのバラ。
ピンク色なんて、私になんて似合わないと思ったけど、それでも嬉しかった。
きっと、理々乃ちゃんは一生懸命、一番可愛いもの選んでくれたんだろうなぁ。

でも、高校生のお小遣いでは、結構、値段が張るものだよね?
それでも選んでくれたなんて、ますます嬉しい。

「来月は、今度はリリィのお誕生日だよ! 楽しみにしててね? ふふっ」
私は、おにぎりをかじりながら、笑みをこぼした。

すると、理々乃ちゃんの目つきがわずかに変わる。


「で? それともう1個話すことあるでしょ」
「え? あっ! …………萩山くんのこと?」

「そーっ! で、どうだったの!? 告白した!?」
さも期待に満ちた目で、訪ねてくる理々乃ちゃん。

彼女に申し訳なく思いながらも、「あのね………」と私は真実を話し始めた。