「今から、餌やり体験でーす!! 20組限定なので、お早めに並んでくだ
さーい!!」
えっ! 餌やり体験、ぜひやってみたいっ!!
音怜くんの元に急いで駆け寄ろうとすると───。
え? と、私は一瞬目を擦る。
だって、音怜くんは座ったまま、見知らぬ女の子たちに囲まれていたから。
その女の子たちは、音怜くんを見下ろして、なにやら嬉しそうに声をかけている。
みんなワンピースか、スカート姿のオシャレな格好してて、ばっちりメイクまで
もしちゃっていた。
しかも、全員可愛い顔をしている。
ドクン、と心臓が嫌な音をたてた。
音怜くんは、まんざらでもなさそうな表情を浮かべていて、その子たちとちゃっかりお話し中だ。
どんな会話を繰り広げているのかわからないけれど、私はサァーッと血の気が引く
のが分かった。
心がみるみるうちに黒いモノで染まっていくのが、嫌でも感じる私。
初めて見てる音怜くんの光景に、頭がついていけず、私は、ペンギンの大地から
黙って出る。

