「~っ、」 私はなにも反撃できずに、顔を彼から逸らすのがやっとだった。 「ちゃんと前向かないと、危ないよ? それとも、俺が振り向かせてあげよーか?」 「そ、それは遠慮しときますっ………!」 ぱっと私は前を向いて、なるべく音怜くんを見ないようにして歩いたのだった。