その音怜くんの言葉を最後に、お父さんとの話し合いは幕を閉じた。
父と母に見送られて、私たちは家を出る。
二人並んで、今度こそ駅を目指して歩いている途中に、音怜くんはボソリと言う。
「つぼみちゃんのご両親って、マジでいい人だね」
「そ、そう? お母さんはいいとして、お父さんは私に対して昔から過保護だから
ちょっと大変なんだけどね」
顔は向けず、色素の薄い瞳がこちらを向いた。
「それだけ愛されてるってことだろ」
「ま、まぁ、そうなるのかな………、あはは」
「にしても、つぼみちゃん、お母さん似で美人なんだねー」
「えっ!? そ、そんなことないよ、顔が似てても私、幼稚だし可愛くないよ」
すると、音怜くんはニヤリと笑ってから。
「いーや、つぼみちゃんは可愛い。中身も外見も全部」
「なななっ!!?」
ぼぼぼっと顔が赤くなる私。
「も、も~、音怜くんの意地悪………!」
「そうじゃない。本当のこと言ったまでだよ、つぼみちゃん?」

