ご近所さんたちが、家の窓から顔をだしていかにも不愉快な表情をしている。
それをお父さんも気づいたようで、私たちに手招きする。
「二人とも、家に上がりなさい」
まだ不満げだったけど、父は少し落ち着きを取り戻してそう言った。
私と音怜くんはリビングのソファに座らせられる。
音怜くんは、なんとなく落ち着かない様子だった。
そりゃそうだよね、だって初めての家の中は緊張するし、それにお父さんに、
これからなにを聞かれるのかっていう不安もあるよね…………。
こげ茶のテーブルを挟んで向かい側にはお父さん、お父さんのソファの後ろには、
お母さんが立っていた。
母はエプロン姿で、申し訳なさそうな顔をしている。
「ごめんなさいね~、リビングのカーテン開けっ放しなの忘れちゃって、窓から
つぼみたちの姿が見えちゃったみたいで~」
「ううん、別にいいよ」
私は首を横に軽く振った。
私たちの関係を、いつかお父さんにも話さなきゃって思ってた時もあったから、
これはそのチャンスだと前向きに思おう。

