「別にケンカすることもないし、特別仲が悪いワケじゃない」
それを聞いて、私はちょっとホッとするけれど、でも、まだ納得しきれてない部分
があった。
「でも、音怜くん、“避けてる”こと自体は否定しないんだね」
何気なく私はそう発言したつもりなんだけど───。
「…………人のこと詮索して、何がそんなに楽しいの?」
字を這うような声色で、私は思わずビクリとする。
私が、そっと見ると音怜くんの顔は、明らかに不機嫌そうだった。
あぁっ………! ど、どうしようっ………!
「ご、ごめんね、音怜くん。余計なお世話だったよねっ…………!?」
それから私たちは終始無言で映画を見ていた。
二人掛けにのソファに私は、音怜くんとの間に微妙な感覚を開けて座る。
映画は、結局、外国のミステリー物でお互いに妥協した。
しばらく映画鑑賞を、気まずい思いのまま見てた私だったけど、何故か音怜くんが
テレビのリモコンの電源ボタンを押して、消してしまう。

