「ただのお芝居だよ、演技ってやつ? みたいな」
「どうして?」
「どうしてって、決まってるでしょー。女子はみんな、俺の外見だけ見てベタベタ
くっつくか、警戒するか、どっちかなんだよー? それすごくウザいんだよねー」
ちょっと、不機嫌そうにムスッとする音怜くん。
「そうなんだ……、音怜くんも大変だね」
「うん、凄く大変ー、まぁ、誰かさんの相手が一番大変なんだけどねー」
「…………それって私のこと?」
「さー? 誰かさんって言っただけで、つぼみちゃんだとは確定してないよー?」
いやいやいや、絶対、私のことでしょ……、と心の中でびしっとつっこむ。
「ゲームも飽きたねー、つぼみちゃん。DVDもあるから映画でも見ない?」
「えっ! うん、見る!」
音怜くんは、よいしょとテレビの下に並んでいるDVDの一つを取り出す。
私はそのケースを見て思わず凍り付いた。
だって、私の一番苦手なジャンルのホラー映画だったから。

