じれじれ王子と心の蕾。




「で、誰かと思ったら、また、つぼみちゃんでさ。偶然にも程があるよーって
思ったかなー」
「そうだったんだ………」

私は再び口を開いてこう言った。

「でも、あのとき音怜くんが、来てくれて嬉しかった。普段は意地悪だけど、
優しい言葉をかけてくれてありがとう。音怜くんが来なかったら、私一体どうなっ
てたか………」

「あのまま、資料室で、次の日の朝まで、泣いてるとかー?」
「う、うん。その可能性もあったと思う」
「ほんっと言い方が大げさー。でも、つぼみちゃんらしいかも」


あははっと笑う音怜くん。

「でも、俺、つぼみちゃん以外の女子が、資料室で泣いていても無視して帰って
たかもねー」
「へっ? そうなの!?」
「うん。つぼみちゃんだから助けたんだよ、俺、それ以外の女子は目にもくれない
から」
「でも、音怜くん、仲よく女の子と話ししてるじゃないの?」

音怜くんは、はぁーっと深いため息を吐いて、うんっと背伸びをする。