じれじれ王子と心の蕾。





すると、彼は我に返ったようで、いつもの音怜くんの顔に戻った。

「え? あ、うん。そ、そーだね、お風呂とかベットとか、危険な場所いっぱいあるからねー」
「…………えっちぃこと言わないで」
「男は性欲の塊なんだよ、これ、重要だからこれ覚えといてー」
「もうっ、音怜くんってマイペースなんだから…………」


ふと、私はもう一つ聞きたいことがあったのを思い出す。

「…………ねぇ、」
「んー?」

再びコントローラーを操作する彼の手。
私の手元もいつのまにか、同じように動かしていた。


「音怜くん、私が資料室で泣いてたとき駆けつけてくれたよね………?」
「まー、そうだね」
「どうして? あのとき、音怜くんが先に帰ったんじゃないの?」
「あー、トイレだよ。で、帰ろうと思ったら、開いているはずのない扉が開い
ていて、中から、泣く声が聞こえたんだよねー」

テレビ画面から、視線を私に向ける。