私は意を決して朝陽くんの目を見た。
「私小さい頃から、あーくんがずっと好きでしたっ! よかったら、彼女にして
くださいっ!」
ついに、13年間しまい込んでいた全て、言葉として吐き出した私。
ドキドキしながら、あーくんの返事を待つ。
あーくんは、あからさまに困惑している。
そして。
「───、ごめん、俺好きな人、いるんだ」
『ごめん』
その3文字が何を意味しているのか、解かった。
解かってた、つもりなんだけど───…………。
ぽろっ。
ひとしずくの涙が、あっけなく床に零れ落ちた。
あーくん………、ううん、朝陽くんは、私の姿を見てオロオロしてる。
「わ、悪い! 実を言うと、あんまり昔のこと憶えてなくてさ。だから、川高
がそれほど俺が好きだなんて知らなくて………」
もう、これ以上朝陽くんを困らせたくない。
私は、出来る限りの力で笑ってみせた。
「ううん、こちらこそごめんっ! 私なら大丈夫だから……!」