私はドキンと、心臓が高鳴る。
強まりを増してバラバラと屋根や窓に打ち付けられる、雨の音。
「つぼみちゃん」
「な、なぁに?」
「ちょっと、こっち向いてくれる?」
「え………、や、やだ。またキスしてくるんでしょ?」
すると、音怜くんは、ははっと笑った。
「うん、俺、つぼみちゃんとキスしたい気分なんだよ」
それを聞いて、私はかぁーっと顔を赤くする。
「ダメだよっ……! 音怜くんのご両親が帰ってきたらどうするの!?」
「へーき、へーき。俺の親は、今は海外出張で、しばらくいないから」
か、海外出張ぉ………!!?
──って、ことは、音怜くんと二人きり!!?
頭がパニック状態になっている私に構わず、彼は私に言葉を投げかける。
「だからさ、キス、しよ?」
「な、なんでっ!?」
「なんでって、俺がつぼみちゃんのこと好きだからだよ」
“好きだからだよ”
そのワードが、頭に繰り返し響く。

