下駄箱につくと、もう音怜くんの姿は無かった。
がくっと、肩を落とす私。
一緒に帰りたかったなぁ…………。
けど、自分はもう高校生なんだから、暗いところぐらい一人で歩ける! と強く
思って、ローファーに履き替える。
そして、昇降口をでると──。
暗い外でもピアスを光らせている人物が一人いた。
「あれっ……? ね、音怜くん!!?」
「遅いー、早く帰りたいんですけどー?」
「音怜くん………、待っててくれたの………?」
「………」
音怜くんはなにも答えずに、恥ずかしそうにふいっと顔を逸らす。
私は、“ふふっ、可愛い”と思ってしまった。
そして私たちは暗い帰り道を並んで歩く。
先に口を開いたのは音怜くんだった。
「つぼみちゃん、なんで泣いてたの?」
「あー……、実は、理々乃ちゃんと、朝陽くんがキスしてるとこ見ちゃって」
私は、なるべく明るめにそう言う。
「あいつ──、萩山のこと好きなの?」
じんわりと、私の頬に熱が集まる。

