「あっ。ごごごご、ごめん!
 うるるんに触るつもりなんて、
 なかったのに……」




パッと手を放し


『本当にごめんね』


眉と目をハの字にさげたアメリ様に、
困惑してしまう。





なぜ、私なんかを引き留めるのですか?



メイドと仲良くしている姿を見られたら、

アメリ様が怒られてしまいますよ。





「僕は、うるるんにね……
 お礼がしたいんだ……」



「お礼ですか?」



「もう2年以上も、僕たち家族のために
 働いてくれているお礼」



そんな、そんな。



「お給料は、十分すぎるほど
 いただいておりますので」



「そういうことじゃなくて……」



……ん?



「ねぎらいの意味も込めて……

 僕と一緒に……

 紅茶でも……どうかなって……」