ミルフィーユ王子はキュン死しそう




「取りあえず、お部屋に入ろう」



「……」



「夜のベランダなんかに、
 うるるんが立っているとね

 この暗闇に吸い込まれて、
 消えてしまうんじゃないかって
 僕が心配になるんだ」



それにね……



「うるるんの可愛い泣き顔。

 お月様にも見せたくないなって
 嫉妬しちゃう僕の気持ち。

 優しいうるるんなら、
 わかってくれるでしょ?」




うるるんは、ハッとした顔をして


「も……、申し訳ありません。
 冷たい夜風に当たっていたら……

 アメリ様が
 風邪をひいてしまうというのに……」


と、深く頭を下げた。