ミルフィーユ王子はキュン死しそう



「もう大丈夫だよ。僕の部屋に入ろ。

 冷えた体を温められるように、
 紅茶を用意してあげるから……って。

 ごめん。うるるんは、飲めないね」



「お気遣い……
 ありがとう……ございます」



「うるるん、どうしたの?」



なんでまだ、

げんこつを握りしめながら

泣き続けているの?




もしかして……



「僕の部屋に、入りたくない?」



それとも……



「僕のことが、
 嫌いになっちゃったの?」





うつむいたまま

首を横に振った、うるるん。





「何で……さっきまで……
 大事な人のことを……
 忘れてれていたんだろう……私……」




大きな涙の雫が

コンクリートに落ちていく。




うるるんは、ヒックヒック肩を揺らし

涙声を震えさせた。