ミルフィーユ王子はキュン死しそう



なんで今まで気づかなかったんだ!と、

自分の目に、文句を言いたくなる。




僕は急いで、窓を開けた。



ベランダに立っていたのは

制服姿のうるるんで


大粒の涙を流し

苦しそうに唇を噛みしめている。




「こんなところで……
 どうしたの?」



なんで泣いているの?



「私……壁とか……窓とか……
 通り抜け…できなくて……」



今朝も、そんなことを言っていたね。



「アメリ様の部屋の…お掃除に…
 来た人が……窓を開けたから…
 ベランダに出てしまって……」



そっかぁ。



「それで、
 締め出されちゃったんだね」



「……申し訳ありません」




外は、もう真っ暗。



そんな中

一人ベランダに取り残されちゃったから

怖くて泣いているのかな?