ハッと、我に返った私。



仕事がはかどるように、

長めの前髪を

ピンでとめていたことに気がついた。




普段の私に戻さなきゃ!




急いでヘアピンを取り

長くて重い前髪をかき集め

瞳を覆うように、顔を隠す。




「……顔……隠しちゃうんだ」



「お…、
 お見苦しいものをさらしてしまい、
 失礼しました」





頭ぺこ!

猛ダッシュ!


と、行きたいとこだったのに……



「うる…るん……」



ひぃえ?

うるるんって……私のこと?



驚きで、目を見開いてしまう。




私の名前は……

確かに『うる』だけど……