アメリ様に
デコピンを食らわせた桜牙君は、
「学校ん時みたいに
貴公子笑顔で凛としてねぇと、
妄想メイドにまで嫌われるぞ」
ニヒヒと刃を光らせ
アメリ様の部屋を出て行った。
バタンと勢いよくドアが閉まり
突然訪れた、嵐のような静けさ。
アメリ様と桜牙君の会話の中に
何回も出てきた不可解ワードに、
ハテナが迷い飛ぶ。
元生徒会長で
女子生徒の憧れの王子様で
誰にでもおっとり笑顔を振りまく
優しいアメリ様が……
私のことを…………好き??
ひゃっ!!
違う違う、絶対に違います!
やっぱりこれは、夢。
天国。
妄想世界。
私の脳内で都合よく合成された、
ハピネス映像なんだ!!



