ミルフィーユ王子はキュン死しそう



再び、薔薇の茎を掴む。



ここにも、花びらは無いかぁ。


こっちのバラを、かき分けてみよう。




真夜中のガーデンにしゃがみ込み、

無我夢中で、

薔薇の花びらを探していると



「あ……あの……」



僕の背中に、か細い声が触れた。




「何?」



ごめん。

僕のことは放っておいて。



誰かに、構っている暇はないんだ。



「怪我、手当てをしなくて
 大丈夫ですか?」



「今、自分の体をいたわっている
 場合じゃないからね」



何としてでも今夜中に、

花びらを見つけて………


…………って。



僕の筋肉が、一斉に動きを止めた。



心臓まで止まったのでは?と思う程

瞬時にピタリと。



息を吸うことを忘れ、

酸素不足になって、


「はぁはぁはぁ~」


必死に空気を取り込む。




この声って……


もしかして……


「うる…るん……?」