「こんなに可愛いお花に、
生まれ変わっていたんだね」
よくよく見ると、
薔薇なのに花びらが丸っこくて、
控えめなピンク色感が
うるるんっぽい。
今まで、気づいてあげられなくて
本当にごめんね。
「さぁ、僕の部屋に行こう。
温かいお部屋で、
キミに伝えたくてたまらなかった想いを、
朝まで語りあかすから」
薔薇の茎に、手を伸ばした僕。
チクッ。
トゲが指の腹に刺さり
ふと冷静になる。
いや……待てよ。
僕の部屋に連れて行くために
茎を切ったら……
この、うるるん薔薇は
痛い思いをするんじゃ……
寿命だって、短くなっちゃう。
明日の朝には、
枯れてしまうかもしれない。
うわっ。
それは困る。
僕の部屋に連れ込むのは、却下!
それなら
このままにしておくしかないか。



